転職してわかった教員の世間知らず【元教員は使えないのか?】

当サイトには広告が含まれています。

「教員は世間知らず」「社会では使えない」といった声を耳にすることがあります。

もちろん、すべての教員に当てはまるわけではありません。

しかし、学校という特殊な環境で働くことで、一般企業とは感覚の違いが生まれやすいのも事実です。

この記事では、実際に教員から転職した筆者の経験をもとに、外から見て感じた「教員は世間知らず」「社会では使えない」と言われる理由を解説します。

実際に教員から民間企業に転職してみて

Kei
Kei

僕は教員からIT企業へ転職しました。

きっかけは、「教員以外の仕事にも挑戦してみたい」という思いでした。

しかし転職してみると、自分が想像以上に仕事ができないことを思い知らされました。

上場企業ということもあり、比較的大きな会社だったため、やはり優秀な人材が多く集まってはいたと思います。

その中で、自分だけが仕事についていけず、足を引っ張っているのではないかと感じることもありました。

転職前は教員としてそれなりに仕事ができているつもりだっただけに、正直悔しい思いもしました。

ただ、そこから必死に努力を重ね、数年が経った今では、そこそこ会社に貢献できているのではないかと感じています。

この記事では、ビジネスの世界では「知っていて当たり前」とされることを紹介します。

僕自身、こうした基本的なことを知らなかったために、転職後に戸惑う場面が多くありました。

おそらく、この基本的なことを知らないことが、教員が「世間知らず」「使えない」と言われてしまう理由の一つだと考えています。

教員が世間知らず・使えないと言われる理由

実際に教員の仕事を離れてみて、教員は「世間知らずだ」「仕事で使えない」と言われる理由を実感する場面が多くありました。

ただし、これは教員一人ひとりに問題があるというよりも、制度や環境の面から見て、そう言われてしまうのも無理はないと感じました。

では、なぜ教員が世間知らずだと言われてしまうのか、その原因について挙げていきます。

年齢とともに確実に昇給する

当然ですが、会社はボランティアで人を雇っているわけではありません。

社員が利益を生み出し、その対価として会社は給料を支払っています。

この構造であるがため、普通は利益や成果を多く生み出した人ほど昇給していきます。

一方で、行政サービスや人々の安全・治安を守るような公務員の仕事は、利益追求とは異なる性質を持っています。

そのため、「年齢や勤続年数とともに経験や貢献度も高まるだろう」という考えのもと、基本的には年功的に昇給していく仕組みになっています。

僕が現在働いている企業では、向上心のある人ほど自分から動いて成果を出し、その成果を正当に評価してもらえるよう、上司にしっかり伝えています。

反対に、そうした行動をとらない人は、いつまでも受け身で「言われたことだけをこなす」働き方になりがちです。想定を超える成果を出さない人は、ほとんど昇給していません。

その点、教員の世界は、特に成果を出さなくても昇給していく仕組みになっています。

僕が以前勤務していた学校でも、校務分掌をすべて他の人に押し付ける、学年の仕事を断り続ける、学級が崩壊しても対応しない、といった先生がいましたが、年数とともに順調に昇給していきます。

こうした制度は教員以外の人から見ると、「世間と感覚がズレている」と言われてしまう原因の一つになっているのではないかと感じています。

定量的な分析と比較テストができない

定量的とは、物事を数値・数量・割合・時間などの客観的な指標で表すことを指します。

企業では、何らかの施策を実施する際に「どれくらい売上が見込めるのか」「どの程度の効果が期待できるのか」といった点を、数値を用いて調査・分析することが求められます。

こうした定量的な分析は、意思決定を行ううえでほぼ必須のプロセスです。

一方、学校現場では新しい取り組みや制度の改善を行う際、成果を数値で示すことが難しい場合が多くあります。

また、あるクラスではAパターンの方法を試し、別のクラスではBパターンを試して結果を比較する、といったいわゆる比較テストも実施しにくいのが実情です。

そもそもクラス数や生徒数が限られているため、個人で調査・分析を行おうにも、統計的に信頼性の高いデータを得ることが難しいという背景もあります。

もちろん、数値では表せない性質や特徴、感情、意見などを言葉で分析する「定性的な分析」が重要でないわけではありません。

しかし、学校という環境では定量的に物事を検証する機会が少ないため、どうしても経験や感覚に基づいて判断する場面が多くなりがちです。

こうした環境の違いが、教員が一般社会では「仕事ができない」「使えない」と言われる背景にあるといえます。

費用対効果を考えない

企業は利益を最大化することを目的としているため、費用対効果(コストパフォーマンス)の低い取り組みは基本的に行いません。

一方で、学校現場では、ある取り組みに費やした時間(コスト)が直接的に利益として返ってくる仕組みではありません。

そのため、業務を進める際に費用対効果の視点が働きにくく、結果として非効率な方法がそのまま続いてしまうことがあります。

例えば、週案(指導計画)をいまだに紙に手書きで作成している学校や、年末調整の書類を紙で処理しているケースなどが挙げられます。

本来であれば電子化することで業務効率を高めることができますが、教員は電子化によって生まれた時間が直接的な利益につながりません。

そのため、業務改善の優先度が上がりにくく、結果としてデジタル化が進みにくい現状があります。

こうした背景があるため、外部から見ると「教員は非効率だ」「世間と比べて遅れている」と思われてしまうことも少なくありません。

ビジネスマナーを知らない

教員も一定の立場になると、修学旅行で利用する旅行代理店や、学校行事の撮影を依頼する業者など、どの企業と契約するかを決める立場になることがあります。

しかし、実際に外部の企業とのやり取りをする際、失礼な対応をしている先生を多く見てきました。

メールの文章がまるで子どもが書いたのかと思うようなものであったり、リスケの連絡を怠ったり、上から目線であったりと、非常識な対応をしてしまう教員は非常に多いです。

これは、教員が自ら企業に出向いて仕事を依頼するという経験が少ないため、ビジネスの基本的なやり取りに触れる機会が限られていることが背景にあると考えられます。

もちろん、すべての教員がそうではありません。

しかし、外部との関係づくりやビジネスマナーに不慣れな教員が一定数いるのも事実であり、こうした点が「教員は世間知らず」「社会経験が足りない」と言われる理由の一つになっているのかもしれません。

まとめ

教員の最も重要な仕事は、もちろん教育です。

「世間知らずだ」「社会では通用しない」といった評価を受けたとしても、別に問題はないのかもしれません。

しかし、世間を知らない人に教わっているという見方を児童生徒や保護者からもたれてしまうと、健全な関係性を築くうえで好ましいとは言えません。

そのため、社会との認識のずれがある部分を自覚し、いわゆる一般的なビジネスの考え方や社会の常識について学んでおくことは、教員にとっても十分に意義のあることだといえます。

Kei
Kei

『教師の年収アップNavi』は、他にもリアルな教育現場についての情報を発信しています。

参考にしていただければ幸いです。