教員を辞めたいのは甘え?【実際に教員を辞めて気付いたこと】

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「教員を辞めたいなんて甘えだ」と言われ、自分の気持ちを押し殺していませんか。

責任の重い仕事だからこそ、弱音を吐いてはいけないと思い込んでしまいがちです。

筆者自身も教員として働く中で悩み、最終的に転職をしました。

そこで、この記事は

  • 教員を辞めたいという気持ちは甘えなのか
  • 教員の辞めどき
  • 教員を辞めた後どうすれば良いのか

について解説します。

教員を辞めて気付いたこと

まず、筆者が教員を辞めた経緯を紹介します。

僕は教員からIT企業へ転職しました。

きっかけは、「教員以外の仕事にも挑戦してみたい」という前向きな思いでした。

しかしその一方で、教員の働き方に不満を感じていたのも事実です。

月100時間を超える時間外労働
勤務時間内では到底終わらない業務量
お祭りなど夜間の地域行事の見回り
土日も部活動で休みがない生活

挙げればきりがありません。

このような状態がこの先もずっと続くのかと考え、正直暗い気持ちになっていました。

そして実際に転職してみて感じたのは、「もっと早く決断すればよかった」ということです。

教員の仕事は確かにやりがいがありました。

そのため、離れた直後は少し寂しさもありました。

ただ、教員時代は働く時間があまりにも長く、常に「教員」という仕事に縛られているような感覚がありました。

転職した現在は、休日はしっかり休めており、平日の残業もほとんどありません。

育児やプライベートの時間を確保でき、穏やかな日々を送れています。

もちろん、転職したからといって仕事の大変さがなくなったわけではありませんし、不満がゼロになったわけでもありません。

それでも今は以前よりも解放された気持ちで、人間らしい生活を送れています。

教員を辞めたいのは甘えではない

「教員を辞めたい」と思う気持ちは、決して甘えではありません。

それは、心が発している大切なSOSです。

教員という仕事は、授業準備や校務分掌、部活動指導、保護者対応など、多くの責任と業務を抱えています。

子どもの成長に向き合うやりがいがある一方で、精神的・時間的な負担も大きい仕事です。

その中で「もう限界かもしれない」と感じるのは、あなたが弱いからではなく、これまで懸命に頑張ってきた証拠です。

心や体が悲鳴を上げている状態を無視し続ければ、取り返しのつかない不調につながることもあります。

実際に僕が12年ほど教員として働く中で、精神的な理由で休職する先生を数多く見てきました。

そして、一度休職して復帰しても、再び休職してしまうケースも少なくありません。

もちろん休職は大切な選択ですが、何度もぶり返すほど大きなダメージを受けているのであれば、限界を迎える前に教員という仕事から離れることも必要だと思います。

たとえ一度辞めたとしても、やはり教員としてもう一度働きたいと思えば、そのときに再挑戦すればいいのです。

教員を辞めた後に再び現場へ戻ってきた先生も僕はたくさん見てきました。

精神的な苦しみから自分を守ろうとする選択は、逃げではなく自分の人生を大切にする行動です。

まずは「つらい」と感じている自分を否定せず、その声をきちんと受け止めてあげてください。

教員を辞めたいと感じたときの選択肢

年次休暇・療養休暇で数日休む

教員として働いていると、日々の忙しさや生徒との関わりが負担となり、「もう辞めたい」と感じる瞬間があるかもしれません。

そんなときは、まず「数日休む」という選択肢を考えてみてください。

心を休めるだけではなく、気持ちを切り替えるきっかけになりますし、教員という仕事のやりがいや情熱を改めて見つめ直せる可能性もあります。

しかし、真面目な人ほど「自分が休むと周囲に迷惑がかかる」と考え、なかなか休もうとしません。

けれども、年次休暇や療養休暇は、誰もが権利として取得できるものです。

確かに、自分が休めば誰かに授業を代わってもらう必要はありますが、一人が数日休んだだけで立ち行かなくなるようであれば、それは個人の問題ではなく、人員配置や職場の体制そのものに課題があると言えます。

職場や同僚を気遣う気持ちは大切です。

それでも何より優先すべきは、自分自身の心と体です。

休職する

数日間の休暇を取っても回復が見込めない場合や、異動が難しい場合、あるいは異動しても根本的な解決にならない場合には、休職を検討することも一つの選択肢です。

療養休暇の上限である90日(精神疾患などの場合は180日)を超えても療養が必要なときは、病気休職へ移行し、給与の減額(およそ8割)や、傷病手当金の受給へと切り替わります。

限界が来る前に自分の今後を落ち着いて考えるための大切な期間として休職を利用してください。

転職する

この先も教員を続けることに限界を感じているのであれば、転職を検討してください。

療養休暇や病気休職も辞めたいと思ったときに必要な制度ですが、何度も休暇・休職を繰り返してしまう場合は、環境そのものを変えなければ心の回復が難しいこともあります。

そのような状況であれば、思い切って転職することも考えてみてください。

勇気のいる決断かもしれませんが、今の時代転職は決して特別なことではありません。

実際に全国には転職を経験している先生がたくさんいます。

僕自身も転職を経験しましたが、新しい環境や職種に挑戦できたことで、毎日新鮮で楽しく仕事に取り組めています。

転職先は教育分野に限らず、さまざまな選択肢があります。

どのような転職先があるのかイメージできないという方は、「教員におすすめの転職先」についてまとめた記事を参考にしてみてください。

記事 教員におすすめの転職先9選

ただし、「とりあえず転職すれば何とかなる」という考えはおすすめできません。

自己分析や企業研究を十分に行わずに転職してしまうと、新しい職場でも同じ悩みを抱えたり、転職そのものを後悔したりする可能性があります。

後悔のない選択をするためにも、事前の準備や情報収集はしっかり行なってください。

教員を辞めるのはもったいない?

「教員をやめるのはもったいない」とよく言われます。

確かに、教員は給与の安定性や手厚い福利厚生、社会的信用など、多くのメリットがある仕事です。

しかし、その一方で、時間外労働の多さはやはり問題です。

文部科学省の「学校の働き方改革のための見える化調査」の結果では、2024年度に残業時間に相当する1カ月の「時間外在校等時間」が45時間を超える中学校教員が39.5%になりました。

小学校教員では22.2%、高校教員は26.4%が45時間を超えています。

政府は2029年度までに公立学校教員の平均残業時間を月30時間程度にすることを目指していますが、80.7%の教育委員会で、中学校の残業時間が30時間を超えていると回答しています。

どれほどやりがいがあっても、時間外労働が長すぎたり、休日がなかったりすれば、いつかは心身が悲鳴をあげます。

もったいないという周囲の声よりも、「自分の心と体の声に耳を傾けること」「立ち止まり、自分と向き合う時間をもつこと」は、決して逃げではなく、これからの人生を大切にするための前向きな選択です。

教員の辞めどきはあるのか

教員のやめどきは、「この先も続けることが苦痛だ」と心から感じたときです。

仕事にはつらい時期があり、それを乗り越えた先に「続けてよかった」と思える瞬間が訪れることもあります。

だからこそ、嫌になったからといってすぐに辞めると決断するのは早計です。

しかし、心や体が明確に悲鳴を上げている状態や、職場にいることを想像するだけで強いストレスを感じるほど追い込まれているなら話は別です。

そのまま無理を続ければ、いずれ本当に体調を崩してしまう可能性があります。

そこまできたときの「辞める」という選択は、自分を守るための大切な決断です。

辞めることを「逃げ」と表現する人もいますが、僕はその考えは違うと思います。

自分に合わない環境から離れ、新しい場所で力を発揮したいと考えることのどこが逃げなのでしょうか。

合わない場所で消耗し続けることが美徳であるかのような風潮こそ、見直されるべきです。

環境を変えるという選択は、前向きな挑戦であり、自分の可能性を広げる行動でもあります。

また、退職のタイミングについて「受け持ちの生徒がかわいそうだから年度末まで待つべきだ」という声もあります。

しかしそれは、年度途中で辞められると後任を探すのが大変なため、引き留める側の都合で言われることも少なくありません。

そもそも子どもたちは、担任が変わっても成長していきます。

僕が退職した際も、ありがたいことに、生徒や保護者から寂しいと言ってもらえましたが、「自分が卒業まで育てなければならない」という思いは、どこか思い上がりだとも感じています。

子どもたちは、特定の一人がいなくても前へ進んでいく力をもっています。

さらに、「今辞めたら現場に迷惑がかかる」と悩む人もいます。

しかし、職業選択の自由がある以上、よりよい環境を求めて転職や退職を選ぶことは当然の権利です。

一人や二人が抜けただけで回らなくなる職場であれば、それは個人の問題ではなく、組織の構造に課題があると言えます。

周囲の声に縛られすぎず、自分の心と体を最優先にして、転職や退職のタイミングを考えてください。

自分の人生の責任を取れるのは、自分自身だけです。

教員を辞めた後どうすればいいのか

教員を辞めたからといって、将来が真っ暗になるわけではありません。

たしかに「教員は転職しづらい」と言われることもありますが、決して転職できない職業ではありません。

教員としての業務を通して培ったスキルや経験は、民間企業においても十分に評価されます。

一方で、教員経験が活かせるとはいえ、ビジネスの実務経験がない点は、転職活動において不利に働きます。

そのため、職種の選び方や自己PRの工夫が重要になります。

そこで、教員におすすめの転職先や、転職を成功させるためのポイントをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

記事 教員におすすめの転職先9選

まとめ

教員を辞めたいという気持ちは、決して甘えではありません。

精神的にこれ以上続けるのが難しいと感じたときは、無理をせず、休暇や休職を活用したり、転職を視野に入れたりすることも大切な選択肢です。

「教員を辞めたら周囲に迷惑がかかるのではないか」「ここまで続けてきたのにもったいない」といった思いから、限界まで踏ん張ってしまう方も少なくありません。

しかし、その結果として心や体を壊してしまっては、本末転倒です。

周囲の声に縛られすぎる必要はありません。

何よりも優先すべきなのは、自分自身の心と体です。

Kei
Kei

『教師の年収アップNavi』は、他にもリアルな教育現場についての情報を発信しています。

参考にしていただければ幸いです。